かつて、♪マハリク マハリタ ヤンバラヤンヤンヤンと魔法にかけられていた。サリーちゃんは、ふくらはぎ美人で、男子ら皆のアイドルだった。
クラスの女子に、「サリー足」などと言うと、その女子が先生に「悪口を言われました」などとチクり、先生に怒られたりしていた。がしかし、ここには大きな齟齬が存在しており、「サリー足」とは誉め言葉なので、けっしてバカにして言っていたのではないのである。可愛い女の子への最大級の賛辞なのであったのですよ。この年になって、是非にでも釈明しておきたいところである。
さらに、サリーちゃんのパパの髪型が不思議でならなかった。さすがに魔法の国の王であるからして、立派に二本角状態なのだった。黒髪が角状に頭の左右両脇に突き出していたのね。謎ではあったが、十二分に威厳を感じていた。
がしかし、この年になって、その髪型の秘密が少しずつわかりはじめてきたのである。
算数や理科の方面はあまり好きではなかったのだが、…よく考えれば、国語も社会も嫌いだったのですね。さらに、本件についてその筋の専門家の指導を仰いだわけではないのでありますから、あくまでもこれは自身が経験実感しているのです的私見であります。けっして鵜吞みにしないように。
どうやら男の頭部は、その前部と頭頂部に「男性ホルモン」の分泌が多いらしい。このホルモンは、その生きがいいところを炭火で焼いて煙もっくもく、ビール飲みながら食うとあの滲み出る脂感がたまらないよね、のあのホルモンではないようなのだ。そして、こいつが悪さをする。男の頭部に軟毛化現象を引き起こすらしい。軟らかい毛は汗等水気に弱いでしょ?だから、大汗かいたり雨なんかふったらアウト、前部から頂にかけてぺちゃんこになっちゃうわけですね。
では、男の頭側部から後部にかけて、周辺部はどうなのか?ここらは「女性ホルモン」がいっぱいあるらしい。そしてこのホルモンは軟毛化現象を誘発しないのだそうだ。つまり、男の頭前部および頭頂部は特に男性ホルモンの影響をうけて、やがて薄くなり、髪型が二本角化していくらしいのだ。そうか、そうだったのか、それは困った問題だ。なんとか二本角化を防ぐ方法はないものだろうか?
ものの冊子にはこうある。規則正しい良質な睡眠→無理。アルコール過剰摂取および喫煙の抑制→無理。栄養バランスを考慮した食生活→実施不可能、となってしまうではないか。すべて逆方向に当てはまるのだ。これらを実践しないと、Road toてっぺんハゲは免れないようなのである。
サリーちゃんのパパを描いた横山光輝さんは、時を超えてメッセージしていたのだな。「あのさ、男はやがてこうなるよ、皆がみなじゃないけどね」と。サリーちゃんのパパ化で、逃れられない定め、男のてっぺんハゲ化前段階を示唆していたのだ。やがて、南部虎弾さんを経て、御茶の水博士状態になっていくのであろうか。この年になって、よ~くわかってきたのだ。