#082.オールドスクールなおっちゃんたち

 高校野球、広陵高校の大会中出場辞退はショッキングな出来事だった。選手たちはバスで広島に帰ったそうだが、その心持ちは察してもはかり知れない。
 夏の甲子園大会開会式が午後4時から行われた。暑さ対策で、史上初めての夕方から開催とのこと。ついついTVで観てしまった。今大会、試合時間二部制導入等、細部にわたるルール変更がなされたそうだ。
 選手宣誓をやった智辯和歌山の子が、その口上の中で、高校野球のあり方が問われている…と言っていた。そのとおり。問われるべきは、この大会を運営している大人たちに山積なのでは、と開会式を観ていていろいろわかった。
 その①、出場選手にあのような歩き方をさせるな。両手を体垂直、顔面位置まで左右に上げての行進、もうやめさせろよ。神宮外苑の出陣学徒壮行会映像を思い浮かべてしまうではないか。普通に行進させればいいだろう?
 その②、おっちゃんたちの祝辞なんていらない。夏の大会主催者が朝日新聞社だから、そこの社長の挨拶はいいにしても、以外に出てきたおっちゃんたちの話なんて必要ないって。文科省副大臣の話なんて聞かなくっていいって。夕方とはいえ、暑い最中に立ったままの選手たちや観客席のひとたちの身にもなれよ。
 最後に出てきたおっちゃんが「選手たちにエールを」などといって「高校生がんばれ~」などと唱和を求めていたが、なんとも覇気がなかった。おっちゃんこそ熱中症気味ではなかったのか?ちゃんと水分補給しておめーががんばれよ的。
 その③、始球式のボールをグランド上空のヘリコプターから落として、という演出はなんなのだ。失敗こいてやり直していたではないか。これを見た選手関係者およびTVでの観覧者が、胸の鼓動を高鳴らせて感動するとでも思っているのだろうか?ただただ時間の無駄遣いだ。しかも、その落下物には朝日新聞社の社章がくっついていて、ヘリから地上までの空中でひらひらはためく想定になっていたのだろうが、惨めに落っこっただけだったではないか。
 暑さ対策等を唱えるなら、開会式だって徹底的に時間短縮すべきだ。上記3点を削るだけでもゆうに2、30分は削れたはずだ。
 その④、そろそろあのサイレンやめろ。減りつつあるもののイガグリ坊主頭、あの行進を合わせて三拍子そろってしまうではないか。警戒警報、空襲警報から離れろよ。
 全国から予選を勝ち抜いてきた選手たち、開会式に携わった高校生たち、みなみなちゃんとしていて感動的でいい開会式であったことはたしかだ。司会進行したふたりの女の子だって、まったく噛まずに、平坦ないい発声だった。
 けれど、それらを指導運営している側、大人たちがオールドスクール的に疲弊劣化していることが浮き彫りになったのであったぞ。
 DH制導入が決まり、一試合7回制等、さまざまなルール改正の検討に着手するそうだが、指導運営サイドのおっちゃんたちの更新改革も急務ではないのか。