ギターを買った。いい音で鳴ったのだ。楽器工房でひとめぼれして即購入。安い中古車一台買えそうな価格だったが、勢いで、後先考えずにカード決済した。
ギターは日常的に2本使っていたから3本目ということになる。おれ的にはもうこれでギリ、4本も5本も使いまわすのは無理だ。3本抱くので精一杯。それ以上になると、それこそ蒼い顔をして「死ぬよ、Baby」なんてことになってしまう。
そういえば、初めての相棒だったYAMAHAの深緑色のセミアコは、いまどこで、だれに抱かれているのだろうか?ゼロフレットが付いていた。GibsonのJ45はだれが抱いているのか?なけなしの金をかきあつめて買ったのだった。
Fenderのテレキャスは、酔った勢いで義理の弟に渡したのだ、これは覚えているぞ。指の骨折にもよく耐えてくれた。…まあ、骨を折って痛い思いをしていたのはおれだけど。
必要に応じて、エレキやアコースティックのギターを買いまくってきた。だけど、多数所有は無理で、その都度だれかに手渡してきた。全部ただで、だ。Fenderテレキャスのサブに使っていたBill Lawrenceのテレキャスはだれにあげたのかさえ思い出せない。色違いで2人いたよな。元気にしているのだろうか。
ラジオ番組に出演していたギタリストの竹中さんが「所有しているギターは、たぶん100本以上あるんじゃないか」と言っていた。そ、そんなにあるの?
そりゃね、日本屈指のギタリストですから、けた違いなのはわかりますよ。でもね、100本ですよ。一日10人相手しても、ひとまわりするのに10日間もかかるわけです。
中にはヤキモチ焼くのだっていますよね、きっと。むかしはあたしのことを可愛がってくれたけど、最近はストラトばっかりじゃん、なんてムスタング嬢がへそ曲げて、鳴りが悪くなっちゃったりしてね。
100本所有なんて、仕事だからとか、体の一部だからとかだけでは無理で、これはもう甲斐性の問題でしょうね。さすが竹中さん。
死んだお袋に二股がバレたことがありました。母親の二股じゃないですよ、女の子を口説いていたのを偶然お袋に見られてしまったのです。そういえば、背中側に騒々しいオバサンたちの声がしていたのは覚えていたのですが。人目を避けるために森の中の隠れ家的喫茶店に行ったにもかかわらず、でありました。女の子との話を聞き耳立てたお袋に聞かれてしまった、ということです。
あんた、あの子はいつもの子じゃないよね。二股なの?カッコつけて二枚目気取りなの?似合わないよ。そんなことして、あの子に知られたらただじゃ済まないわよ。
そして、はっきり強く言われたのです、「あんたにはね、そんな甲斐性ないよ」と。