「住みたい街ランキング2025首都圏版」で、立川が15位になっていた。昨年の22位からの上昇。ランキング上位は、横浜、吉祥寺、恵比寿、目黒などが常連のようだが、立川15位は中野、自由が丘などよりも上なのだ。
だから、それがどうした?ということもあるが、気づけばここ数十年で激変した立川駅周辺ということは間違いないだろうね、きっと。社会風土も、だ。
立川は、通っていた高校があった駅で、昔むかし三年間も通った場所であった。しかし、寸前世代の先輩たちが大暴れした後だったので校則ユルユル時代。制服などなかったし、登校後の校舎出入りも自由自在なのであった。
午後までの授業が「自習」になると、さっさと駅前のパチンコ屋に行ってしまう、といったような具合。それを教師が迎えにきたりしていた。「おまえら、昼過ぎにはちゃんと戻ってこいよ。たばこ吸うんじゃないぞ」などと。
なんせ私服行動で、長髪だろうがパーマ頭だろうがぜんぜんOK。薄化粧している女の子などというものも当時としては珍しかったはずだ。
そのユルさをいいことに、登校などしたりしなかったり「わが校始まって以来の低出席率」「恐怖の五割打者」などと言われていた。皆が皆ではありませんよ、おれが、ってこと。公立高校なのにね、それでも卒業させてくれた。「卒業式までの一ケ月間毎日、新聞社説読んでその感想をリポートとして提出しろ。そしたら卒業させてやる」と社会科の教師に言われた。ちゃんと読むわけないよな、読んだってわけわかんなかったんだから。「増税はよくない」なんてたった一行書いたりしてね。いいかげんなもんだよな、まったく。もちろん、このおれが、ってことだけど。
高校は立川駅から徒歩20分強もかかる場所にあって、その通学路の小路で歩きながらたばこ吸ったりしてね。ショートホープ一箱75円の時代。二箱からじゃないと売ってくれないたばこ屋があったりして。たばこ屋のおっちゃんはちゃんと売ってくれたし、歩きたばこを住民にとがめられたこともなかった。
むかしの立川駅は、もちろんビルなんかじゃなくて、平ったい駅舎だった。地下道で各ホームが繋がれていてね。西武球場で日本一を決めた阪神の選手たちがユニホーム姿のまま北口に入っていくのを偶然見たこともあった。中央線で東京駅まで移動して、新幹線でさっさと大阪に帰りたかったんだろうね、きっと。
駅前で人と待ち合わせていて、その時刻までまだ一時間以上もあったので、そんなことを思い出していた。そして、つい、負けて散財とはわかってはいるものの南口のパチンコ屋に入ってしまった。結果はトントン。余りコインでショートホープ一箱をもらった。
久々に吸ってみた。これが、おいしいのね。ニコチン&タール強めの刺激で、独特煙草葉の香り。たぶん、この味わいは伝統的に堅持されているのだろうな。通学路小路「一服ロード」の風景がよみがえったのである。困ったもんだ。