#098.便利はそれほど大事なことか

 電話がかかってきて、無機質な声音で「外国人労働者は必要だと思いますか?」などと言った。おまえ突然こういうのは失礼だろ、ばかやろう、と思って即刻切ってやった。着信履歴表示が頭0120だったので着信拒否登録してやったぞ、ばかやろう。最近こういうのが多くて腹が立つ。だいいち、おまえらどうして、おれの電話番号知っているのだ?
 こういったシステムには疎いのだが、たぶんこれはとみに活性化してきたAI仕業が絡んでいるのであろうことを想像した。…正しいかな?
 失礼なそいつらには答えてやらなかったけれど、その質問センテンスに嵌まって考え込んでしまった。それは、そんなに、本当に必要なのかな?と。
 たしかに、今年この一年は、こんな東京の西の外れにも外国人が増えた気がする。つい先日にも、市役所の窓口案内でさんざん待たされた際、見かけたのは片言の日本語を喋る外国人と思しき人々への対応だった。…まさかこの令和の時代に、日本の各地から遠く上京してきて、訛りがひどすぎて日本標準語が理解できない人がそんなにたくさんいるとは考えにくい。外国人労働者の移住および諸手続きなのだな。…きっと。
 「人口減少、労働力不足の危機」などというお題目が叫ばれはじめて久しい。しかし、はたして本当にそうなのだろうか?そんなに危ないことなのだろうか?日本に住んでいる人々はそれほど困っているのだろうか?と考えてしまう。
 昔むかしヤンキーの兄ちゃんは、よく唾を吐いた。けれど、時代が進んでそのような場面を目にすることは、まず無くなった。ところが先日、駅前で堂々と豪快に唾棄する人を目撃した。そういう場面に遭遇して、とても懐かしい気もしたのだが。顔面は東南アジア的な人であった。…たぶん。
 右側歩道を歩いていて、後ろから至近距離猛スピードで走り抜けるチャリンコに煽られた。もし酔っていたら、追いかけて襟首とっ捕まえてやるくらにの勢いで、であった。まさか、背丈体躯の小さい子どもだったり、歩の優しくなったお年寄りにはそのようなことはしない、とは思うけれど。そんなんだったら、酔っていなくてもフルにダッシュして襟首をとっ捕まえるけれど。その人は、日本語ではない言葉をペコパコ言いながらだった。たぶんイヤホン電話行為だろう。
 はたして、それほど人手不足か。そんなに困ることか。日本だって、ヨーロッパ諸国並みに人口がすくなくなったっていいのではないだろうか。必要最低限、は理解するよ。それは「命」にかかわる、そしてそれらに準ずる現場であったりした場合に、ね。以外、そんなに不便を心配する場面場合がたくさんあるのだろうか?とさらに深く考え込んでしまう。不便益ってこともあるでしょう。
 経済活動的にか?…だったらよ、安く雇って儲けようとするならよ、雇って稼ごうとしているやつらは、その人たちに日本の風習生活習慣をちゃんと教えてあげろよ、な。