#079.米騒動劇場

 トランプマンが「日本にはアメリカ車が走っていない」「日本は米が足りていないのにアメリカ産米を買わない」と言っている。
 アメ車なんて、すぐにブッ壊れるんじゃなかったっけ?むかし、ツレが新車のカマロ買ったけど、ド頭から故障続きで苦労していた。アメ車だからよ、しょうがねえよ、とのことであった。これは、むかしの話か?いまはそんなことないのか、えっ?おめー。
 アメリカでの米作り映像を観て驚いた。セスナ機飛ばして種まきしてやんの。そんなやりかたぜんぜん知らなかったぜ。
 そりゃね、アメリカは面積がデカいからセスナ機で種じかまきしたくなる気持ちはわからなくもないよ。でもね、紀元前から苗で水田稲作やっていて、その気質が間違いなくDNAに組み込まれているであろう身としてはね、大雑把すぎやしないかね、と思うのだが変だろうか。えっ?おめー。
 幼少期、母方の実家で稲作をおこなっており、一族総出で苗を植えていたのを覚えている。もちろん子どもたちは皆放っておかれるのだ。用水路でさかなを捕まえて飼いだした。ある日、それらは大量のチビ青蛙に変態したのだった。
 そして稲刈りも一族総出であった。叔父が空気銃で雀を打ち、それをさばき、やきとりにして食べさせてくれた。米をたくさん食べて太った雀はおいしかったのだ。後年、居酒屋で「雀のやきとり」という品書きを目にし、それを注文したら姿そのままの串刺し焼き雀が出てきて驚いたものであった。
 田植えにしても稲刈りにしても、それはそれは重労働であったと思われ「ご飯粒残しちゃだめだよ」という親の説教にも説得力があったのだ。
 千葉県の鴨川で仕事があるたび、しょっちゅう棚田を見に行っていた。そこには、美しい「The日本」の里山風景があって癒されたからだ。真夏だというのに、南から吹きあがってくる海風がここちよく、田園のいい香りがしていた。
 それにしても小泉Jr.は、威勢がよかったのは最初だけで、やっぱり劇場観せられていただけだったのだろうか?劇場の世襲なんて困ったもんだ。
 だって、古米も古古米も古古古米も古古古古米も一度も目にしたことがないもんね。そりゃ、店頭に並べばすぐに売り切れてしまうってことはあるのだろうけれど。コンビニで1㎏400円弱で売る、なんて言っていたけど、それも見たことないよな。コンビニ各社は、米騒動劇場に乗っかって客寄せキャンペーンしただけだな、きっと。
 日本の稲作も、その後継者問題で岐路にあるようだ。みんな離農しちゃって都会に出ちゃうもんな。アメリカ方式に倣って、北海道の大地にセスナ機で種まくようになるのだろうか?
 そんなこと言っているだけじゃなくて、やってみろよ「えっ?おめー」と言われてもな。さーせん、無理っす。