#069.ゴンちゃん、負け犬の遠吠えの巻

 横田基地で「日米友好祭」が開催された。基地を開放して、この日だけ一般来場者を出入りさせるというイベント。普段は、申請検査なしには全く入れない。
 しかし、立ち入らせるのはほんの一部だけ、基地内のどこにでも、というわけではない。遠目に戦闘機や輸送機を見せたり、格納庫の中でライブ・コンサートやったりするのだ。飲食ブースもたくさん出店するけれど、せいぜいビーフステーキ、ホットドックやピザ、甘ったるいケーキ、バドワイザー、コーラくらいだ。
 デモンストレーション飛行とかで、F系戦闘機を何機も飛ばしていたようで、近隣はうるさくてしょうがない。入場無料なので、方々から来場者が集まるし、夜になると花火なんか上げるから、周辺道路は一日中大渋滞して迷惑至極。もう、こんなこと何十年もやっているのだ。
 年に一度、日常は基地内に入れない日本人に、アメリカが日本の土地施設を接収している現実を知らしめるためのイベントなのだろうか。
 この年頭、テレビでローレンソ・ゴンガルベスという名のおっちゃんが吠えていた。「日本は1945年からなにも学んでいない。日本は悪い。日本よ気をつけろ」と。そのおっちゃんは、ブラジル出身のアメリカ人で、キャリアを積み「鉄鋼業界のイーロン・マスク」と呼ばれたりしているそうだ。以下、ゴンちゃんとします。
 でもねゴンちゃん、1945年から80年も経つんだから忘れちゃうかもしれないよね。ただそれは、場合と場所にもよるんじゃね?
 911のときに基地の出入り口ゲートに立つ兵士が、ライフル銃を水平に、こっち側に向けて掲げていたもん。基地を囲う高い塀のむこうのゴンドラにも完全武装の兵士がいて、ライフル銃のスコープ越しにこっち側に標準を合わせていたもん。これでも「デフコン3」状態。ああ、日本はアメリカに占領されているのだな、と思い知らされたのね。相も変わらずF系戦闘機だってガンガン飛ばしてるでしょ?ついには日本の自衛隊まで巻き込んじゃって共有状態にしてるけど、建前上のお友達体裁作戦見え見えだって。
 「思いやり予算」てーのもあるよね?この通称名、そもそも日本共産党が揶揄を込めてそう呼んだもので間抜けだけれど、これを不適切として「同盟強靭化予算」と定めた政府も苦しいところだよな。だだっ広い飛行場を占領されたままで、同盟強靭化に年平均2,110億円も拠出してんだから。え?どう思うゴンちゃん。
 それでは、ゴンちゃんはなぜあんなに興奮していたのか?ということになるのだけれど…。どうやら、ゴンちゃんは「USスチール」を買収しようとして「日本製鉄」と競っていたのだそうだ。そこで、ゴンちゃんがやってる会社が提示した買収額が73億ドルに対して「日本製鉄」の提示額が143億ドル。ほぼダブルスコアだったのですね。だから、ゴンちゃんは、とっとと失敗こいたわけだそうです。ゴンちゃんの恫喝まがいは、単に悔し紛れ、負け犬の遠吠えだったようだ。