#049.市議会議員はつらいよ

 近ごろのガテン系現場、女性進出が目覚ましいではないですか。JRの車掌や運転士、大型トラックの運転手が若い女性だったり、市のごみ回収に従事している女の子の作業着がしっかり似合っていたりすると、たくましく見てしまう。
 日本はますます少子化が進んで労働人口が先細り、とのことなのだからまことに喜ばしいことだ。人手不足を外国人労働者に頼るのも手なのだろうが、男寡占だった現場への女性進出は時代のニーズなのだろう。
 こういった状況に伴って、これまでは目にしなかったような現象に遭遇することも多々おこる。
 こないだ、通信キャリア店の店頭で、若い男のスタッフを大声で罵倒する女性を見た。どうやら、スマホの機種変更の際、操作を誤ったスタッフがそれまでのデータを消去してしまったようなのであった。それに激怒した紺色パンツ・スーツ姿の女性が、男口調でがなっている。
 通信キャリアなのだから、消去したデータの回復など可能であろうと思われたのだが、その手順のミスに対して容赦がないのである。興奮して矢継ぎ早に叱責する声が大きいので、店内はシンとなって皆の耳目を集めていた。
 DVの被害者は、そのほとんどが女性との解釈が大勢であったそうだ。が、近ごろは男性の割合が増えつつある、との記事を読んだ。女性側が暴力を振るい、男性側が被害を受ける、ということだ。
 しかし、この現象は、もうとっくの昔から起きていたことなのではないか?と思われる。男が、女房もしくはパートナーに暴力を振るわれたとしても、未開封の四合瓶で横っ面を殴られて腫れたからとしても、被害を訴える、医師に診断書などを書いてもらう等の行動はとりづらいのではないか?笑い話などとしては別として、告白すら躊躇っていた時代が長かったのではあるまいか?と思う。
 とはいえ、なにも女性のこういった所業を非難しているわけではない。仕事や人付き合いがうまくいかず、やけ酒を飲みたくなることもあるだろう。ついカッとなって、面前の男をひっぱたきたくなることもあるだろう。
 だから、ママ友と深酒して意識を失い、救急搬送された先で大暴れ、看護師や救急隊員に蹴りを入れてしまって議員辞職となったからといってあまり面白おかしくあげつらってはいけないのである。立場が議員ということで目立ってしまっただけなのだ。…議員のつらいところだ。
 女性議員として仕事ができるのであれば、出直し選挙に立ち、復帰すればいい。酒飲んで大立ち回り、などと威勢がいいのだ。一本通っているようでたくましい。あっぱれだ。
 世に多い、選挙のときだけ騒いで目立って、役に立っているのかどうか判然としない、ポンコツへなちょこ政治屋男議員らなどよりよっぽど期待がおけるのである。