近所に直産農家があって、月水金曜日に、野菜を家の玄関先で売っている。売っているのは若い夫婦。たまに、ジイバアも売り子をしているので、農家の代継か、と思われる。一年中休むことなく、週三日、売店業務に励んでいるのである。
売られているものは、旬の葉もの野菜と根菜類。それらに加え、西瓜、ブルーベリー、蜜柑、林檎、キウイ、苺などのフルーツまで品ぞろえは多岐にわたっている。すべて自家作物とのことなので、意気込みに感じ入って、もうそこでしか野菜果物を買わなくなった。すばらしき地産地消なのだ。
ところが、である。売り子に立っているのが、いつの間にかジイバアのみとなった。聴けば、「…息子も嫁も別の商売を始めたので」とのこと。腰が曲がり耳も遠くなったジイが、そう言うのである。野菜を買ってお釣りを渡してくれたジイの手は、節くれだって土汚れ、働き者の指だった。
…そんな簡単にやめるなよな、始めたのならやれよな。少なくとも3年くらいは続けろよな、と思った。
それは、農業なんて大変だろうことは想像できる。いや、想像など超えた苦労があることだろう。早寝早起きはキツイよな。嫁舅の確執もあるだろう。農業続けてきたジイバアだからな、それは頑固で筋金入りであろう。
あなた方の人生はあなた方のものであることも重々承知である。自由民主主義の日本であるし、余計なお世話で、オメーはオメーの行く末でも心配しとけよな、というのもよくわかる。でもな、そんな簡単にやめるなよ、続けろよ、出たり入ったりするなよ、と強く思った。
「ネイルサロン起業しました」とか「親父の鉄骨屋を継承しました」「ホールディングス社つくりました」とか言ってカッコつけているバカの多いこと多いこと。その舌の根も乾かぬうちに、さっさと撤退、廃業かよ?出来もしないのなら、初めからやるなよ。偉そうなこと言って始めたのなら続けてみろよ。そんなポンコツ野郎は、人として認められない、って。これから一生、反省の日々を送れ。そして老い果ててゆけ、と言いたい。
曲や詞を書いて歌がうたえるからといって、自らを「アーティスト」などと言うな。アートとは「芸術」のことだぞ。軽々しくミューズの神を語るなよ。そんなもん拙作にすぎないではないか、と言いたい。
自らを「クリエイター」などという奴とは付き合えないが、社名とかに「クリエイト」などの語彙をつかっている奴らも信頼がおけない。どんな顔面してそうしているのか?と、目を疑ってしまうぞ。言葉遊びもいいかげんにしろ、といったところである。安っぽい、って。
風邪ひいて酒の量を減らしたら、交感神経が立ちっぱなしで、ついつい毒づいてしまうのね。ごめんちゃい。さーせんでした。