#005.さらに恐怖のせりふ

 ゆうちょ銀行で口座に金を入れようとしたらポケットに十円玉が4個あったので、紙幣と一緒に入金した。印字された通帳を見ると、入金額の下に「硬貨料金」という項目が印字されており110円引かれていた。
 これは何ですか、と職員に尋ねると、2022年の1月からATMで硬貨を入金すると手数料がかかるようになったのですよ、とのこと。知らなかったのですか的顔面で言われた。知らねえよ、そんなこと。
 ということは、十円玉4個入れて110円の手数料だから、70円マイナスするってこと。おまえら、金も貸さねえ銀行のくせして、ふざけんなと思いましたね。
 金を貸してくれる金融機関というのはありがたいといえばありがたいのですが、金利が付きますからね。「男の60回」なんてものもあって、むかしは金利が年率9%という時代もありました。みんな車欲しさにこういうのに手を出したのです。
 100万円を年率9%で5年、元利均等で借りると月々20,759円返済で、のべ1,246,705円になる。金貸しが儲かった時代だったのですね。そんなこと考えもせずに青春的若者は車が欲しかった、ということです。ナンパの必須アイテムでしたから。
 むかし、週末ターミナル駅前で終電後深夜に女の子が2人おれの車に乗ってきたわけです。こっちも相方と2人ね。どこ行く?なんて話して、海なんか見に行ってね。眠くなったから、泊まって明日の朝帰ろうぜ、なんて言ってモーテルに連れ込んだわけです。もちろん2部屋、男女ペアでね。
 部屋に入って、風呂でも入ってこいよと言うと、その女が「何すんの、変なことしたら先生に言っちゃうから」と大声を出したわけです。そこで、その女の顔をしげしげと見てみました。あれ、おまえ20歳なんて言ってたけど嘘だろ。…17、いやもしかしたらまだ中学生か?的に。ターミナル駅前から海に行って、モーテルの部屋に入るまでずっと暗がりでしたからね。
 しらけ切ってさっさと寝たおれを横目に、その女は「DVD見放題なの?」「これ、もらって帰ってもいいの?」とはしゃぎつつ、モーテル備え付けのアメニティなどを漁っていたのでした。
 「先生に言っちゃうから」は、思い出すといまでも怖いのです。